今年の振り返り
「コンピュータ将棋 Advent Calendar 2016」へのリンクはこちら。
http://www.adventar.org/calendars/1457
この記事は、コンピュータ将棋Advent Calendar 2016の12/14の分となります。
さて、今年は、ついに「うさぴょん」と「さようなら」をした年になりました。「うさぴょん」は、前向き枝刈をするオールドスタイルのプログラムでしたし、設計思想は2001年頃のままでしたので、結構長生きをしたのではないかと思います。
うさぴょんを全幅探索型にする事や、学習部を書いて3駒関係などを持ち込む事も考えないではなかったのですが、局面の「更新」の関数が相当重い処理になっていました(利きの管理や、各駒ごとの交換値の管理などをしていました)ので、これをベースにして全幅探索するのはさすがに無理がありそうで、断念しました。なお、「うさぴょん」の合法手生成+手の評価は、実は結構「強力」で、駒がぶつかり合って以降は、並び替えた後の一手目の候補手が、プロ棋士の棋譜との一致率が90%近くになります。(ちょっと自慢してみましたw)
「うさぴょん2」以降、コードのベースは、「かず@なのは」さん作成の「なのはmini」に乗り換えましたので、かつて私の作成した「れさぴょん」を使って参加していた「かず@なのは」さんと、使用しているライブラリの親子関係が入れ替わった形になります。
この事を指して、師弟関係が入れ替わったとTweetしたかも知れません(苦笑)。
また、どうせ一つでもライブラリを使うのなら、ライブラリ登録されているものは使い倒す、という方針で今年は開発を進めて行きました。そのため、選手権では、「うさぴょん2」で参加し、「なのはmini」をベースにした探索部(ただし、2016年1月頃のStockFishの技法を取り入れました)、合法手生成部、局面の評価には「大樹の枝(Apery)」の評価バイナリを使い、決勝リーグへと初進出(決勝リーグで全敗w)を果たしました。
そして、電王戦トーナメントでの「うさぴょん2’」では、「なのはmini」ベースにした探索部(2016年9月頃のStockFishの技法を取り入れ)、合法手生成部、「Apery」ベースの評価バイナリを「やねうら王」をベースにした学習部で強化するという、「夢の3ライブラリ合体!」を果たしましたが、評価バイナリは、完全に「浮かむ瀬」や「やねうら王」に負けてましたね…。電王戦トーナメントの結果も、決勝進出したものの、決勝一回戦で「やねうら王」に(順当に?)負ける結果になりました。途中まで結構いい勝負(やや有利)だったと思うんですが…
今年は決勝までは行けるものの、そこが限界、だったように思います。でも、盤の構造がBitBoardでなくて配列型であっても、「まだ戦える」ことは示せたのではないかなーとか勝手に思っております。
今年は「巨人の肩」に乗ってみて、そうか、こうなるのか…と体験を出来た年になりました。こういう景色をトップランナーは見ているのだな、と…。非常に良い体験になりました。
で、来年ですが…ライブラリ不使用で、「うさぴょん3」を開発して参加したいな、と考えておりますが、10月末頃から仕事が非常に忙しくて、「うさぴょん3」の骨格も出来ていないというか、基本設計も出来てない状態です。「うさぴょん2’TURBO」なんていう名前で参加していたら、またライブラリ使用してるのか、と考えて頂いて問題ありませんw
末筆ながら「巨人の肩」を貸して頂いた皆様に感謝を。
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